いばら姫






「ちょ!ちょっと待って!
ブーツの紐結ばせてー」


駅前デパートの
ショーウインドー

その中にも
クッキーで出来たお菓子の家や
小さなクリスマスツリーがあり
粉雪の装飾とライトで
とても明るい


片手で支えると
そこにアズは立ち止まって
腰を降ろした


周りでは
お洒落をした恋人達が
待ち合わせしたり
煙草を吸ったりしている



「…アズ  渋谷、行こうか」


「う? 何処でもいいよ
渋谷あんまり知らないけど」


「俺も知らないから
ちょうどいいだろ 」


「……ぼ 冒険……? 」



「そんな感じかな

…本当は"プリティ・ウーマン"
やろうとしてたんだけど…」


「えーっ?!」


「…アズと知り合って
海デートした辺りね

会ったら絶対
そうしようと思ってたんだけど
ある意味先にやられちゃってたからな
―――自力で。」


「あはははは」

「笑い事じゃねえよ
計画狂いっぱなしだべな

しかもクラブに連れてって
喜ぶタイプでもなさそうだし
どうデートしようか
頭の中総動員で考え中。

…とにかく電車乗るベ

渋谷着いたら考えよう」



少し戸惑うアズの肩を掠い
看板のライトの下から連れ出した


――― 新宿に居れば
何処に居ようときっと
何か見る度に、
こいつは"奴"の事を思い出す

早くここから、離れたかった