いばら姫






アズの足が
思いの外速くて
―――かなり本気を出した



立てたマットを抱えたスタッフの元に
幾つものはためきが
次々とぶつかる




『―――… OKで〜〜す!!

皆さん!!

本当〜に!!
どうもありがとうございました〜!!』


拍手と歓声の中
"池上海平"は
他のスタッフと共に、頭を下げる


「 参加賞を渡しますので
制服を返却したら
お名前ボードに
サインをお願いしますねー!」



アズと俺は顔を見合わせて
二人同時に「参加賞」と笑った



「うぁー 顔痛いー!」

「早く服、着替えて
どっかでお茶しよう」

「お腹空いた!!」


「あはは じゃあ飯な

朱雀の間だっけ?前で待ってる」

「らじゃ! 」





参加賞は
明日出る『Azurite』の
プロモ映像をプリントした
Tシャツだった


「……いい生地だし
金かかってんな 」


「クリスマスだからって
言ってたよ 」



「…お前のこういうのデザインしてる人
毎回センスいいね
普通に着られるし」


「……持ってる…の? 」


「…持ってたら何よ 」


「………」


「………何だよ! 」




じりじりと
距離を開けて行くアズを
羽交い締めにして
駅へと歩いた