「…もう歌をやめろなんて
思ってない…
お前がどれだけ歌を好きかも
…どれだけ歌うお前が
周りに必要とされているかも…
でも
俺が会ったお前は
―――"普通の女の子"だろ?!
あれだって本当のお前だ!!」
「……… うん 」
「ここに居て、俺の横で…
弁当食ってるお前だって
本当のお前じゃないのか…?」
「……うん 」
「……青山
誰かと
付き合ってるみたいだしな」
――― アズの体が小さく跳ねた
「…弁解とかして来ないのか?」
「……する必要ないよ
だって……」
「…仕方ないかもしれないけどな
会ったのも半年近く前だろ
しかも前とは違って
――世界にはアズだけじゃない
綺麗で魅力的な女が
沢山居る芸能界に、
今、奴は、いるんだもんな」
…… アズはこんな容姿の癖に
強烈なコンプレックスがある
自信が無いんだ
…転がって来い アズ
やり方は最低かもしれないけど
俺は
こういう方法しか知らない
真っ向からぶつかると
結局お前を切り付けるだけだ…
―――青山が
どれだけ大切にしてくれたか
でも結局
聞けば短い、ひと夏の話
そんな物
俺がいくらだってこれから埋めてやる
…… アキ
お前、以前俺の事
"悪魔"って言ったよな
これからなろうと思うよ
かなり
ギリギリの所で、頑張ってるけどね―――
俺は
俯いて、ぽろぽろと涙を流すアズを
両の手を開いて、抱きしめた


