だって初めてのナンパだったんだもん。
正直言うとちょっとだけね?ちょっとだけ。
ちょっとだけ嬉しかったんだもん。
……樹には悪いけど。
だけど、ここまで連れてこられちゃったのは、さすがにバカだと思う。
「あの、帰ってもいいですか?」
「え?だめー。君のこともっと知ってからじゃないと」
「そうだよ。名前だけでもいいから教えてほしいなぁ?」
爽やかだけど中身が最高にチャラいこの男たち。
あたしを解放してくれそうにない。
もう!どうしたらいいの?
こんな時こそ樹が偶然通りかかって、
『俺の女に何してんだよ!』って殴り込みに来てくれればいいのに。
けどそんなのはマンガの世界でしかありえないことだよね。
今までの経験から、さすがのあたしだって分かってる。
じゃあ、他にここを上手く脱け出せる方法を見つけないと。
このままじゃ樹に会えなーい!
.



