………そんなある日のこと。




結局あたしは樹に会いたくなって、樹に内緒で樹の住んでいる場所へと向かった。




樹の家の住所は樹のお母さんから聞いてたから知ってたけど、


住所を知ってるからって家が分かるほど地理に強くない。




だから、せめて樹の通ってる高校が駅に近いって千里から聞いたから、


樹を驚かせるために高校に行くことにした。




あたしの高校は面談期間だから授業は午前中だけで終わった。




だからお昼だけ紫音とファミレスで食べて、紫音も仕事があったから食べ終わると解散した。




「それより、田舎だなぁ」




電車で揺れること1時間、初めての駅で降りて初めての場所へやってきた。




確か北口を出て右に曲がって真っ直ぐ歩けばすぐに樹の高校に着いたはず…。




そう思って、その通りに歩いていくと意外と早く高校に着いた。




着いたから校門の前まで来たのはいいものの、どうすればいいのか分からなくなってきた。




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