愛してよダーリン





編集長らしき人と話が終わったのか、杉山さんが近くに来てくれた。




「もうすぐで撮影終わると思うから、もう少し待っててね」


「あ、はい」




このまま近くに居てくれればいいのに、


杉山さんは『じゃあ紫音迎えに行かなきゃいけないから!』と言って、スタジオから出ていってしまった。




あたしはこの前も座った端にある椅子に座り、2人をできるだけ見ないようにするために、意味もなく携帯の画面を見てた。




でも目が2人を捉えてなくても、耳が嫌でも捉えてしまった。




「ほんとにあの2人お似合いだよねー」

「沙絢ちゃんもいつも以上に良い表情してるしね」

「“ザ・美男美女”って感じ」




ヘアメイクやスタイリストやアシスタントをやってる人なんだろう。


その人たちが口々にそう言ってた。




このスタジオの中は本当に本当に明るくてみんなが笑顔で、


あたし1人だけが、きっと泣きそうな顔をしてたんだと思う。




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