沙絢ちゃんはリビングでもよく“不良”の単語が出てきてて、どうやら男らしくてヤンチャな男の人がタイプらしい。
あたしと樹がこれからプチ遠距離になっちゃうのを知ってるから、沙絢ちゃんはすごくあたしたちの事を心配してくれた。
『相談ならいつでも乗るからね』と、トップモデルに言われたあたしは完全に浮かれていた。
………沙絢ちゃんの本当の目的を知らずに。
そのあとも、あたしのお母さんのしつこい誘いに断ることが出来なかった沙絢ちゃんは、あたしの家で夜ご飯を食べていった。
もちろん紫音も食べていって、トップモデル2人と一緒に夜ご飯を食べてる女子高生なんて、
世の中にあたしだけなんじゃないかと思った。
夜ご飯はお父さんが仕事から帰ってきた時に支度をして食べた。
食卓に沙絢ちゃんがいることに、もちろんお父さんはびっくりして『マジっ?!夢?!』と叫んでいた。
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