「紫音?え、なに?」
「…ねぇ奈緒」
「ん?」
「あんた、ばか?」
「ば、ばか?!」
美少女のことを知りたいだけなのに、あたしは何で“ばか”って言われなきゃいけないんだろう。
確かに紫音は普段からあたしに冷たいけど、でもこんな風に意味ない意地悪はしない!
なのに何で?
………なんて、
考えてたあたしの耳に入ってきたのは、思いもよらない言葉だった。
「沙絢(さあや)カワイイよー!いいよいいよー!」
さっきまで紫音を撮影していたカメラマンの人が、人形のような美少女に向かって、そう声をかけていた。
美少女はニコニコしながら、紫音と同様いろんなポーズをとっている。
美少女は……沙絢というらしい。
……沙絢……。
「………沙絢っ?!!」
思わず叫んでしまったあたしを、スタジオ内にいる人みんなが見たのが分かった。
.



