ここで泣いちゃいけない。
笑顔でいなきゃ。
そう思えばそう思うほど、泣いてしまいそうで。
「だからね―……きゃっ」
あたしが泣いてしまいそうなのを知ってか知らずか、
涙が少しだけ溢れた瞬間―――……樹に抱きしめられた。
「……い、つき?」
あたしのその問いに樹は答えず、ただ抱きしめる腕の力を強くした。
ギュッと抱きしめられる感覚は、この前初めて抱きしめられた時と全然違って………。
この前は優しい感じだったのに、今はとても力強く感じる。
だから、あたしも抱きしめ返す力が自然と強くなってしまう。
それから樹は何も言わずに、頂上にいった時くらいに軽く触れるだけのキスをした。
それから観覧車を降りるまではお互いに何も言わなかったけど、ずっと抱きしめあっていた。
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