「2-Sにはこの学校に多額の寄付をしてくださる方もいらっしゃるから、失礼のないようにね。くれぐれも、くれぐれも深入りはしないこと。不思議なことがあってもほっといてください。絶対ですよ。」


「はぁ・・・、」


多額の寄付って、だからこんなに設備いいんだ。と他の事を考える。


あいまいな返事をした和人に、たちまち喝がはいる。


「本当にわかってるんですか!!問題児クラスなんですから情けは禁物ですよ!!」



さすがに、ドスのきいた声と眉間にしわがよった顔に怖くなり懸命に首を縦に振る。


要注意だこの人。怖い。背筋がさっきよりもぴーんと伸びた。


周りの職員たちも動きが止まった。職員室には静かな空気が漂っていた。


「他の先生も2-Sのことは放任ということでお願いしますね。」


にっこりとした笑顔が余計に怖い雰囲気をかもし出す。職員たちも「はい。」と返事をして仕事に戻ったり、そさくさと職員室を出るものもいた。