そう私は、恐ろしく朝に弱い。


というか一度寝ると中々起きない。


おかげで一生懸命起こしてくれる相棒(目覚まし時計)を何度裏切り壁に投げつけるという酷い仕打ちをしたことだろう。


「だって無意識なんだもん。」


ハァと和馬は、大袈裟にため息をついた。



クソ!嫌な奴。


「起きたなら、早くいらっしゃい。また遅刻よ。」


文句の一つでも言ってやろうと思った時、一階から叔母さんの声が聞こえた。


「じゃ。お先〜」


「なっ待っててくれないの?」


「嫌だね。姉貴と道連れ遅刻なんて、笑えねぇ。」

「裏切り者〜。」


そう怒鳴る私に、和馬は軽く手を振りさっさと学校に行ってしまった。


「早く来なさいって言ってるのよ!」


一階から聞こえてくる叔母さんの声が次第に鋭くなってきた。




ヤバい。


叔母さんは、普段おっとりしているが怒ると怖い。

めちゃくちゃ怖い。


それは、和馬が怒るのなんて可愛いと思えるくらい。


私は叔母さんの怒りのボルテージがこれ以上上がらない内に急いで階段を駆け下りた。