切甘短編集!!



「…はぁ」

「…なんだよ」

「疲れました。明日の朝机に紙置いとくんで、書いたこと聞いといてもらえます?」

「もらえないっすね、ストーカー女」

「じゃあ宜しくお願いします。さようなら」

「スルーかよ」


ガラガラ…

変態ストーカー女、もとい荻田はスタスタと教室から出ていった。

…なんなんだ。

始まりは、3日前のこと。

俺と元カノ(そん時は彼女だ)の修羅場に居合わせた彼女は、例によって頬パチンをかまされた俺を介抱する代わり、親友・岡野との恋を手助けして欲しいと言ってきた。
聞けば初恋らしく、面白そうだと乗ってやったら…

このザマだ。


「ったく…──。未だに1度も話してさえいないってのに、健気だよなぁ」


俺だったら、目を付けた女にはすぐに声を掛ける。

そんで、自慢の王子スマイルで一気に落とす!!

…スマイルは、まぁ、あいつには無理だな(酷)。

あいつは"フツウ"だ。

あ、外見だけ、な!!!
(中身はまたとない変人だ)

顔は中の中。
背は女子の平均ぴった。(ある意味すげぇ)
痩せてもねぇけど、太ってもない。

目立ちもしねぇし、地味でもない…。

「ほんとマジあいつ、あり得ねー」

まぁ、荻田が岡野をモノにすることはねぇだろう。

つぅか俺がさせねぇ。

か、勘違いすんじゃねぇぞ!!!?///

俺は岡野を思ってのことだからな!!!///

荻田を好きになるとか天地がひっくり返ってもあり得ねぇ!!!

…つぅか。


「俺が…本気で誰かを好きに…とか、あんのかな…」