切甘短編集!!



「そ、その…りん"チャン"ってゆうの…やだ………」


だってあのコには、

呼び捨てだったのに。

フ…。

その時、扉1枚隔てた向こう側で、新太がとっても優しく笑った気がしたのは…

きっと、気のせい。


「りん」


きゅん…。

何これ?

胸が苦しい。

だけどね、

「りん…」

さっきみたいな、息が詰まる感じの苦しさじゃなくて…。

「りん、開けて…?」

教室で、好きって言われた時みたいな…。

カチャリ…。

バンッ!!!


「っ!!!?」

「やっと見れた…りんの可愛い顔」


鍵を開けると、すぐに扉は開かれて、気づいたら優しいぬくもりの中。


「馬鹿…抱き締めたりしたら…顔、見えないじゃない…」

アナタの腕の中は温かすぎて…恥ずかしくて、やっぱりあたしは、素直になれない。


「…それもそうだね」

「え?」


ぐいっ!


「!!!///」

「これでよく見える…」


見える…じゃなぁああーい!!!!!///

顔!!!近い!!!
3センチ…2センチ弱!!?

今のあたしの状況は、新太に顎を掴まれて(王道!!恥ずかしい!!///)顔を近づけられてる。

「りん…?顔、赤いんだけど?」

「当たり前じゃん、あたしファーストキスまだなんだからぁぁ!!!///」

「まだなんだ?」


ハッ!!!

何言ってんのあたし!!!?

と、ゆうか。


「に、新太…キャラ…跡形も無く崩れ去ってるわ…」