翌日の土曜日。

その日の事は、
あまり覚えていない。


只、朝早くに…
先輩から、電話があって、


嬉しそうな声で…
とても、嬉しそうに。


『はよっ!!俺さぁ、夏音(なつね)とつき合う事になった!!』


『…そう、なんですか』


「おめでとうございます」は、体が硬直して言えなかった。

言葉が渇いて聞こえた。


先輩…先輩。
なんで?


その日は1日中、部屋から出ずに泣きじゃくって…。

食事を運んできたお母さんに、酷く心配された。