先輩は夏音先輩が好き。 先輩の欲求の相手は、あくまでも川岸夏音。 "女"では無い。 「あはは…私…何してんの…」 そんなことわかっていた。 先輩が夏音先輩一筋で、とても一途なこと。 わかっていて、そんなところもひっくるめて、貴方の全てが好きだった。 好きだった…。 「ひっく…。うあ…うあぁぁあん!!!」 放課後の教室。 薄暗い部屋の真ん中で、泣き叫ぶ私の声は、誰の耳にも届かない。 未だ残る唇の温もりは、絶望に溶けて消えていった。