切甘短編集!!



「…あれ、花咲?」


そう言って教室に駆け込んできたのは、紛れもなく愛しい貴方。


「先輩……」


私は慌てて、席を離れる。


「その、あの、きょ今日部活来てなかったので、気になってっ…!!」

「あー悪ぃな。ここでサボってたんだ。でも今から行くから…って、花咲!?」

「え?」


案外アッサリ騙されてくれたことに安堵して、俯いていた私に急に先輩が駆け寄る。


「目…赤い。泣いてたのか…?」

「…!!」


先輩の、優しい手が…指先が、あたしの頭に触れる。


嗚呼…先輩、


好き。


…ちゅ。


「っ!!!?」


あたしは、少し背伸びをして先輩の唇に口づけた。


ホントに軽く、一瞬だけ。


「っ…花咲…?」