購買の周りにいる人ごみの中から
 満足そうにサンドイッチを抱えて
 出てくる奈々。


 『奈々っ!は、早く教室戻ろう!』



 私は、奈々の腕をつかみ教室へと足を
 急げた。
 



 ―――――――――――



 「ねぇ、夏希さっきからどうしたの?
  ズット黙ったままじゃん。
  私がいない間何かあった?」


 
 さすが、中学から一緒だけあって
 感が鋭い。


 あれから、すぐ教室に逃げ込んだ。
 そして奈々が買ってきてくれた私の分の
 サンドイッチを食べている――

 
 『別に。気にしなくていいよ。
  さっきはいきなりゴメン・・・』



 
  私は平然を装って答えた。



 「もしかして・・・また男?」



  やっぱり、当たった。
  私は小さく頷き返す。