『心配してくれるのは嬉しいけど、
私、別に意味あって泣いてた訳じゃ
ないから・・・。』
私は、そう言って地面から立ち上がっ
た。
「先輩、嘘はやめてください・・・。
自分が気づかないうちに泣いていて、
訳がないなんてあるはずないじゃない
ですか。」
そういいながら、私の目の前まで来て
優しく背中に腕を回す。
そんな行動にためらう私に
コイツは言った。
「先輩、俺本当はズット前から先輩のこと
見てたんです。
先輩いつも何処か寂しそうで…
でもそんな自分を
周りに隠そうとしてて。」
『な、何がいいたいのっ?』
戸惑いながらも自分の事を
見透かされていた事に驚く。
強がってない。
強がってなかったよ?
ただ、周りの男全部が真樹に見えて・・・
すると、、、
まるで「心配するな」とでも言ってるかの
ように私を抱きしめる腕の力が強くなった
「先輩...。
もぅ強がらなくていいから。」
真剣だけど、
何処か優しいその声とその言葉に、
私の胸は不意に苦しくなった。

