なんで、アイツがいるの?

 なんで?誰を待ってるの?


 なんでなんで・・・アイツが。



 「夏希・・・大丈夫?どうするの?」



 焦りながらも冷静に奈々が聞く。
  
 どうするも何も・・・
 私はアイツに何にも用事はない。


 アイツだってそうに決まってる。
 この学校に彼女がいるか何かになんだ



 『奈々。帰るよ。』


 鞄を片手に飲みかけのフルーツオレを持ち
 下駄箱へ向かう。




 「ねぇ、夏希。帰るの?」



 『ほかに何があるの?
  帰るに決まってるじゃん。』


 そう帰るの。私はいつもどおり家に
 帰るのよ。




 「でもっ、もしかしたら夏希に用があるかも
  知れないよ?」




 『あるわけないでしょっ?!
 私はもぅ、アイツとはあの日からとっくに
 終わっているのよ』