何の躊躇いもなく、 後先考えずに抱き上げて 車に向かおうとする桜井に 俺がむしろ焦った。 お前、 美羽ちゃんしか見えてねぇな。 「写真撮られるぞ、お前」 「あ、わりぃ」 美羽ちゃんをジャケットで包み、 顔を胸板で覆った。 その仕草は桜井の気持ちを 隠すことなく現していた。 無駄に格好良すぎるんだよ。 格好良くなくたって お前だけなんだから。 .