「紘ちゃん…」 俺をこんな呼び方で呼ぶのは、 いくら世界が広くても 一人しか知らない。 ちぃだけだ。 「…ったく、いつから待ってた? 夜遅く危ないじゃねぇか」 合い鍵なんて渡す程 ちぃとは深い仲… …じゃないはず。 幼い頃から懐いていたちぃは、 家が近いこともあって 俺を避難場所にしていた。 歳が2つ上だからか 兄のようにくっついて。 ちぃの母親も、 紘希くんなら大丈夫だと 変に安心されていた。 時折何かあると、 ちぃは俺の帰りをこうして 玄関前で待っている。 .