美羽ちゃんを桜井に託し
帰途につくと、
急に雲行きが怪しくなった。



…ちぃか…



夕立の匂いが俄かに漂い、
俺はアイツの顔を
思い浮かべていた。


「…やっぱりお前か、ちぃ」


俺のマンションの扉の前に
ちょこんと座る、
まるで子猫みたいな
変わらないアイツを見つけた。



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