そんな千早の姿が 一番みっともないのに 彼女はそれに気づかない。 本当に好きでもないくせに 甘い猫なで声を出されるのは 正直 吐き気が出る。 「いや、美羽ちゃんを送っていくだけだから。電車なくなっちゃうんだよ」 美羽ちゃんにそっと 目配せをして口を噤ませた。 「浅野さんが夜道にひとりは やっぱり危ないからって… それだけです」 千早の視線を受けるように 柔らかめな声で返す。 そんな仕草も彼女には 受け入れ難いんだろうけど。 .