…そう。
あれからすぐに
ちぃが再び体調を崩し
病院に連れて行ったら
妊娠が確認されたんだ。
どうやら初期過ぎて
検査薬に出なかったらしい。
それからが怒涛の日々だった。
まずは、
ちぃのご両親にご理解と
謝罪とご協力要請をし。
お父さんに頭を下げて
許してもらったばかりだ。
「まーさーか、
お前んとこが本当に
授かってたとはなぁ。
順序キチンと踏まえて
進みそうなくせに」
ニヤニヤ笑いつつも
その笑顔は憎めない。
それが桜井だ。
「まぁな。
でも、遅かれ早かれ、
同じ結果だったと思うし。
何てったって俺んとこは
…ダブルだぜ?」
ダブル。
双子だったのだ。
それも男の子と女の子。
一度に恵まれるとは
さすがちぃというか。
「名前は決めたのか?」
一卵性じゃないらしいから、
名前を似せる必要は
多分ないんだけど。
でも、
もう決めていたんだ。
「里桜(りお)と里翔(りと)」
みんなが好きな桜と
お世話になった桜井と。
みんなに愛される桜。
それに、
飛躍して飛んでいく
翔という字を絡めて。
「お前んとこが美央ちゃんじゃなかったら、美桜ちゃんにしようと思ってたらしいぞ?」
「それもややこしいな」
他愛のない会話。
でも、
そんな会話が今はいい。
大切な何かに気付けたから。
護るべき相手に。
護るべき場所に。
自分より大切な、誰かに。
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