俺の姫はひとりしかいない。

でも、
護らなきゃならない
もうひとりの姫がいる。


「おはようございます」


ようやく慣れた様子で
後部座席に滑り込む、

誰かの唯一無二の姫。



「おはよう、美羽ちゃん」


この姫だけは
どうしても名前で呼ぶ。

紗雪ちゃんと
美羽ちゃんだけは
俺の特別。



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