「紘ちゃんの…?」 ほら、手ぇ出せと言われて 反射的に差し出された右手に、 スペアキーを握らせた。 「お前、スペアキーは一個しかねぇからなくすなよ?」 初めてやるんだから。 鍵なんてもの、 渡したことねぇから。 固まりながら、右手の中の鍵を 何度も触って確かめている姿が、 なんか可愛かった。 初めてもらったおもちゃみたい。 「もう玄関前で待ってんなよ。 ちゃんと、中で待ってろ」 照れくさいけど、 悪くない気がする。 待っていてくれるのは、 やっぱり…ちぃがいい。 .