1/2 〜危険なベターハーフ〜



闘うまでもない。

戦意喪失させられる。
あたしにどこも似てない。



「自己犠牲しちまうところ」


隣で紘ちゃんが
小声でボソッと呟いた。



「相手のことばっかり考えて、離れようとかするんだけど、結局男は離せなくて振り回しちまうんだよな…」

そこがまた可愛いんだけど。


眼を泳がせながら照れてる姿を見て、なんかあたしまで照れた。



「美羽ちゃんの場合は、
相手が何と言っても桜井だし、
球団に写真を買い取って貰った
負い目も感じてるし…。
でも桜井はそんなことよりも、
美羽ちゃんが寂しがることを恐れてるんだ。

…傍には俺もいるしね…」

いつの間にか紘ちゃんの視線は、桜井さんに向かっていた。


でもそこには敵意より、彼女を温かく見守る眼差しがあった。


「美羽ちゃんが俺を選ぶはずがないのに。俺に出会うよりずっと前から、テレビの向こう側の桜井に恋してたのにさ…」



肩を揺らし、
ゆっくりため息を零す。

そんな紘ちゃんの横顔が
やっぱり切なく見えた。


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