目が覚めた紘ちゃんは、 何も覚えてなかった。 あたしの家に来たことも、 何を呟いたのかも。 泣いたことも。 そして、 あたしを抱き締めたことも。 ちょっと寂しいけど、 それが一番いい気がした。 何も覚えていなかったのが、 一番良かった気がした…。 「何かちぃに話した?」 首を傾げながら、 問い掛ける紘ちゃんに 本当のことは言わなかった。 これは、 絶対に秘密にしようって あたしが思ったから。 .