顔だけ見たくてそっと覗くと、 女性の表情が見えた。 いつか見た、 助手席の女性だった。 紘ちゃんの表情が、 いつになく穏やかだった。 …美羽ちゃん… それから、 名前を忘れたことはなかった。 忘れられなかった。 忘れられるはずがなかった。 .