…ちぃ…
言葉が出なかった。
ちぃが傍にいる年月と、
片想いしていた年月と、
変わりはなかった。
それほど、
誰よりも傍にいたのに…
俺は気付けずにいたのか。
「あたしには適わない…
18年も傍にいた人に、
勝てるはずないもの」
伏し目がちだった千早が、見つめる先には俺にと渡したネクタイがあった。
それを愛おしそうに、
ゆっくりと優しく撫でた。
「あいつには俺も勝てないんだ、千早ちゃんが勝てるはずないよ…」
「…ですよね、あたしも話してるうちになんとなく解りました」
それでは休憩が終わるので失礼します、と去っていく千早を見送った。
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