「桜井、貸し1な」 こんな貸しなら悪くない。 幸せな貸しなら。 「お前の部屋にいる間に何されてたかわかんねぇだろ?チャラだな」 チッ。鋭いな。 「このままどこまで行けばいいんだ?美羽ちゃんの家すら知らねーぞ」 「浅野は知らなくてもいいんだよ、ぜってー美羽の家教えねーからな」 あーそーかい。 ヤキモチですか。 「ここでいいよ、近いから。 …ありがとな」 言い残して美羽ちゃんを 抱きかかえて降りた。 今度こそは、 誰にも見つかりませんように。 美羽ちゃんが泣きませんように。 .