流れるように後部座席に座り、 美羽ちゃんに指先を伸ばす。 「ごめんな、美羽?」 たった一言。 彼女が我慢していた涙が 一気に流れ出した。 もう言葉にならなかった。 言葉は要らなかった。 美羽ちゃんの髪を 宥めるように確かめるように 桜井の指先がそっと撫でる。 それだけで。 桜井が美羽ちゃんを 愛おしそうに触れているのが わかったほどだった。 .