「行ってきま〜す」 普段は、都内の大学に通ってる普通の学生である。 あの喫茶で働いていることは家族にも友人にも秘密にしている。 今日も午前の講義が終われば、直接バイト先に行くつもりだった。 「おい!橋本」 大学を出たところで、後ろから呼び止められた。 「ん?何だ、本田か」 振り返り、小走りでやってくる本田を待った。