私の王子様-社長【完】






「真は気づいてないのか?」




さっきとは違う弱々しい声が聞こえ私はふいに顔をあげた。


するとそこには、悲しそうな目で私を見下ろす陽の姿が…




「陽?」




私はたまらず名前を呼んだ。


どうしてそんな顔するのだろう?


私のせい?


私がそんな顔させてるの?




「お前は俺の気持ちがわからないのか?」


「気持ちって?」




気持ちと言われても私にはわからない。


それに陽はあまり自分の気持ちは明かさないじゃない。




「はぁ…お前は鈍すぎんだよ」




そう言って突然陽が私の上に覆いかぶさる。