そのあと陽は私に話しかけることなく私たちの部屋に入っていった。
「はぁ~」
大きなため息がこぼれる。
「本当に私って…」
“生まれてこなければよかった”
心からそう思った。
私といるとみんなが不幸になる。
私は全く陽のことを知らない。
いや、知ろうとしなかった。
陽は私のことをあんなに知ろうとしてくれてたのに…
そんな私が陽を傷つけた。
そんなことあってはいけないのに…
それに仕事だって、社長なら本当は夜遅くまで仕事なはずだ。
きっと私のために早く帰ってきてくれてるんだと思う。
そうか…あのとき見たのは仕事をしてる陽だったんだ。