「お前には知っておいてもらわなきゃいけないことがあるんだ…」




車にのってしばらくしてから陽がそう言った。


その顔はいつか見た表情と同じで


どこか苦しそうだった。




「何を?」


「お前が俺に買われた理由…」




その言葉にドクンと私の心臓が反応する。


忘れていた。


私は母親に売られたんだった…



最初は気になっていた陽が私を買った理由。


でも、陽を好きになってからそんなことすっかり忘れていた。