時刻は8時。


車はどんどん人気の少ない場所へと向かっているようだった。




「ねぇどこに行くの?」


「さぁ?」




さっきからこの調子。


自分で行くって言っといて


さぁ?


はないでしょ。




「ヒントくらいちょうだいよ」


「綺麗な場所」


「綺麗な場所?」


「そう…」




綺麗な場所…


やっぱりそれだけでは想像もつかなくて


私は考えることをやめた。



そして期待と不安の中で


車は暗い夜道を進み


私はいつの間にか眠ってしまっていた。