「うまかったか?」 「う、うん…」 本当は、あまり味がわからなかった。 目の前に陽がいると思っただけで 胸がいっぱいでそれどころじゃなかったから。 「そうは見えないけど?」 「えっ…」 「やっぱりこういう店は嫌か?」 何をいまさら… そう言いたくなったが陽の悲しい顔を見たら 言えなくなってしまう。 「嫌じゃないけど…緊張するっていうか、慣れないとうか…」 たぶん私には合わないんだと思う。