陽は何も言わないまま


抱きしめていた手を離すと




「寝るまで一緒にいてやるからさ、寝ろよ…」




そう言って布団に入り私を優しく抱きしめた。




「ありがと…//」




陽の胸に顔をうずめそう伝える。


その時の私はとっても幸せな気持ちでいっぱいだった。


風邪をひいただけでこんなに優しくしてもらえるとは思ってなかったし


こんな風に抱きしめてくれるとも思ってなかったから…




「ごめんね…」




さらに顔をうずめつぶやく私。


こんな私に幸せを教えてくれて…


このまま…


このまま時が止まったらいいのに。



私は心の中でそう願った。