でもこれはただの言い訳だ。


本当は好きと認めるのが怖いだけ。


たとえ好きと認めても自分には何もできない。


それで傷つくのが怖いだけ…



私はただの臆病者だ。


恋の一つもできない。


ただの臆病者…



私が心の中でそう思っていると



ぎゅっ



百合が私の手を握った。




「百合…?」




その突然の行為に私の思考がいったん停止する。



そして百合の顔を見るとその顔はいつになく真剣で


どこか切なそうだった。