「ウンメイ、、、」
つい、ポツリと言ってしまった。
信じ切られないのが現実。そして、予想できないのがウンメイである。
16歳にしてそんなことを思ってしまうなんて、俺はおかしくなってる。
「どうしましょう、、、尚菜ちゃんに顔を見せられないわ、、、、。」
泣きながら訴える真弓さん。
ここから、、、この空間から、、、出たかった、、、、、。
「いいっすよ。俺、行ってきます。」
「盈くん、、、」
「大丈夫ですよ。ちゃんと、元気付けてきます。」
俺は、真弓さんの返事を聞かないで病室を出た。
返事を聞いたら、泣くかもしれないと思ったからだ。

「はい、藍澤さんですね。」
「あ、、、、はい。」
俺は、鍵を借りに来ていた。
「あのぅ、、、、」
看護婦は言った。
「名字は分かるのですが、、、下の名前が、、、」
「あ、、、(ミツル)っていいます。」