夏真っ盛りな楽しい夏休みに起きた。
「尚菜さん、、、栗木尚菜さんは、後1年ほどでしょう。」
それは医者が下した幼なじみの尚菜(ひさな)の寿命だった。
「どうしてですか、、、、。」
と、泣き叫ぶ尚菜の母親の真弓さん。
「1年」って言われるのなんて、何回もあった。
でも、医者は泣き叫ぶ真弓さんに決まってこう言うのだ。
「仕方がありません。ウンメイなのですから。」
しょうもない言い訳だ。
勝手に「ウンメイ」ってコトバを口にして、患者を納得させようとする。
なんて大人げないのだろう。
なんて無責任なのだろう。
しかし、医者の資格を持っていない俺たちは言う権利なんか無い。
黙っているしかないんだ、、、。
しばらくして、医者は病室から出て行った。