「俺には必要無いから。…つぅか、居なくて良いし?ま、お前は居て良いけど?」


「え、マジで~♪」

「あほか。嘘だろ」

「ぅおぃっ!!」


すげぇ他愛のない会話だけど。

“これ以上は話さない”


そんな意味も隠った龍の言葉。

確かにオレは親友だけど。


こいつの過去も知ってるけど。

近づけない部分があるんだ。


龍が作ってる壁。

何もかもを否定するかのようなでかい壁がオレ達を隔ててる。

オレでも越えらんない。


「相変わらず、…」


小さな呟きは溜息と共に、澄んだ大きな蒼空に溶けていった――。