小学生になった時、尚子は自分がブスなだけではなく、学習能力が低いことにも気がついた。
尚子を悩ませたのは、学習セットに入っていた時計だった。

時間が読めないのだ。


それ以外にも、「右」と「左」が理解できず、いちいちお箸を持つ仕草をしないといけなかった。

算数が特に苦手で、数字を見るだけでお腹が痛くなることが度々あった。


一年生の成績表は、よくできる、まあまあできる、あまりできないの三段評価だったが

尚子が「よくできた」のは、図工だけだった。