姉のアルバムには、沢山の写真が貼られていた。 アルバム専用の本棚があったほどだ。 尚子の写真は、現像する時に写真屋からもらえるあの安っぽいアルバムに無造作にしまわれていた。 『二人目の時って、どこの家でもそんなものよ』 言い訳をする母の言葉に、ひとかけらの真実もないことを、尚子は幼いなりにわかっていた。