「……もしもし」

「もしもし。梨子だよ!」


電話はどちらからするとは決めていない。

したくなった方からかける。



「梨子は今日何してた?」

「え…と」

まさかデートしてたとは言えない。


「買い物とか!」

「そっか何か買ったの?」

「リングを……」

「じゃあ今度のデートで見せて」

「うん…!
亮太は大学どーだった?」


1番目の亮太は大学生。


今年の春に入学して1年生。

何かと大変らしくて休みの日もあまり会えない。


寂しいけど…
亮太もそうだろうから我慢。


「もう大っ変!
もうすぐ文化祭があってさ。

あ、梨子その日見にこいよ」


「うん、絶対行くよ!」