携帯を開いて、電話帳から由良ちゃんを探していると、目が霞んでぽたぽたと雫が落ちた。
「―っ…。」
でも、泣くのはまだ早い。
由良ちゃんに頼んでからじゃなきゃ。
プルルル…プルルル……ガチャ
『はいは〜い!どしたの綺良♪』
「―っあっ…由良ちゃん…?一個お願いがあるんだけどっ」
『なに〜♪?てか、今日はどうだった?』
「え、う、うまく…いったよ?」
成功した、はずなのに…
『え〜!そうなの!?よく頑張ったね〜綺良♪』
なんでこんなに涙が出てくるの…?
「う、うん…。でね、暁名さんに…先に帰ったって伝えて欲しいんだっ」
私の唯一のお願い。
こうなったらもう、この気持ちは絶対ばれないように…っ
『…?ねぇ、待って、綺良。まさか…泣いてる!?』
わ!ばれちゃう!
「え、な、泣いてないよっ!絶叫系乗りすぎて、声が嗄れちゃっただけっ!」
『うそだ〜!お姉ちゃんなめないでよ?ったく暁名ちゃんにあとで…』
「だめっ!…っあの、暁名さんは、悪くないのっ…私が…!」
勝手に騙して、勝手に泣いてる私が悪いの…っ。
そのとき。

![Rainbow Love Story [短編集]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre1.png)