偽装☆ROMANCE [中編]



携帯を開いて、電話帳から由良ちゃんを探していると、目が霞んでぽたぽたと雫が落ちた。



「―っ…。」



でも、泣くのはまだ早い。



由良ちゃんに頼んでからじゃなきゃ。












プルルル…プルルル……ガチャ



『はいは〜い!どしたの綺良♪』



「―っあっ…由良ちゃん…?一個お願いがあるんだけどっ」



『なに〜♪?てか、今日はどうだった?』



「え、う、うまく…いったよ?」



成功した、はずなのに…



『え〜!そうなの!?よく頑張ったね〜綺良♪』



なんでこんなに涙が出てくるの…?



「う、うん…。でね、暁名さんに…先に帰ったって伝えて欲しいんだっ」



私の唯一のお願い。
こうなったらもう、この気持ちは絶対ばれないように…っ



『…?ねぇ、待って、綺良。まさか…泣いてる!?』



わ!ばれちゃう!



「え、な、泣いてないよっ!絶叫系乗りすぎて、声が嗄れちゃっただけっ!」



『うそだ〜!お姉ちゃんなめないでよ?ったく暁名ちゃんにあとで…』



「だめっ!…っあの、暁名さんは、悪くないのっ…私が…!」



勝手に騙して、勝手に泣いてる私が悪いの…っ。






そのとき。