それから、もうかれこれ20分はお化け屋敷をさ迷っている。
叫びすぎて走りすぎて、色々限界が来てたけど、ただひたすら歩き続けた。
でも、いつまで経っても出口は見つからないし。
暁名さんも…見つからないし…。
「…あ、きなちゃ…ん?」
小さい声で、呼びかけてみるけど、誰かに聞こえるはずもない。
辺りは真っ暗で、不気味に光る緑色の灯りだけが、唯一の光だし。
『ねぇ〜!怖いよ〜!早く出よ?』
前に見えたのは、腕を組んで歩いているカップル。
私の作戦では、今頃私達もそうなってるはずだった。
急にみじめな気持ちになった。
由良ちゃんのふりして、お化け屋敷なんか入って。
結局は暁名さんもいなくなっちゃうし…。
わざと、私を置いて行ったのかな?
もう、面倒になったとか?
それじゃ、困るよ。
だってこのデートは失敗出来ないんだから…
そして、またお化けが出てきて、私を追いかけてくる。
「きゃ――っ!!」
何度出てこられても、慣れない私。

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