タクシーを呼び、待っている間も左手ばっかりチラチラ見てしまう


何でずーっとポケットに手突っ込んだままなんだよ


出せよ
出しやがれ!


ヒロ『タクシーが来たみたいだよ』


いきなり振り向くなよ
焦るじゃねぇか

私『うっ…うん……先に乗ってて、すぐに行くから』


ヒロがタクシーに乗ったのを確認して


私『チン……今日はありがとう……』


チン『このくらいならいつでもどうぞ』


私『オメェさぁ……何でアタイの事嫌いなんだよ…』


チン『ん?さっきも言ってましたが…貴女を嫌いだなんて言いましたか?』


私『だって……最近アタイには冷てぇだろ?』


チン『そうですか?ただ……貴女で遊ぶのが好きなだけです』


遊ぶ?


私『オメェ…なめてんのか?』


チン『なめてませんよ』

私『絶対なめてんだろ』

チン『ヒロさんが待ってますよ』


私『話変えやがったな』

タクシーを見ると、ヒロが窓を開けてこちらを見ていた


チン『ほら早く行きなさい。貴女の事を嫌いな人なんていませんよ。こんな楽しい人、滅多にいませんからね』


なんだよ……
何だか照れちゃうじゃねぇか


チン『たまにと言うか、常に喋り方もおかしいですし、今時ベイベだのやったゼッとか言う人いませんしね』