「あっ!野田さん?もう帰ったのかと思っていましたよ!」


引きつった笑顔を見せてあたしの横を通り過ぎようとする。


野田さん?
ってさっきまで呼び捨てだったクセに!!


南君の態度にイラッとしたあたしは、


「あたしが聞いて無いとでも、おもってるの?」


あたしに背中を向けている南君はピタリと足を止めて、ゆっくりと振り向いた。


「何の事っすか?」